最終電車は京阪電鉄K駅停まり 「お客さん もう電車ないですよ~」
またやってしもたか!追い立てられながら改札を出た
どうしようかと
しばらくシャッターが降りた改札の出入口で佇んでいたが…
タクシー探せば高くつく なんせ京都まで帰るのだ 金がないので仕方なく待ちぼうけ
タクシー代など逆立ちしても出てこない 朝までここにいたろか
あと数時間の辛抱やで… それでも立って待つんはさすがにしんどい
なんか座れるものはないかと周辺をうろうろ ちょうど酒屋の店先に
ビールケースが転がってた これでいいや… ひとつ拾って帰って
もと居た場所に戻り腰かけた 目を閉じて うとうとしていたが
やっぱりこんな格好では辛くて眠れない ちきしょう!
またうろうろ…
ええもん見つけた 段ボールシート!
どこか横になって眠れるとこないかな シートを引きずり ぞろぞろ歩く
まるでホームレスやがな 屋根があってちょうど穴倉のような
ところ発見!
それは電車のホームの下にある空間である
どこでもええがな できるだけ水平になるようシートを敷いて
横になる やっぱりさっきと全然ちゃうわ… 自然と瞼が閉じた
気がつくと雨が降っていた 良かったな屋根のあるところで…
また眠くなってきた…
雨の音で目が覚めた
相当強くなってきたみたいや 背中のあたりがふわふわしているぞ
うわぁ~! シートの下に雨水が流れ込んでいる
車道から大量の水がこちらに向かって押し寄せていた
その一部がシートの下をくぐって
まるでウォーターベッドのようになっている
何じゃこりゃ!
シートが届いてない足元はすでにずぶ濡れ
こりゃたまらんわ~、慌てて飛び起きた
すでに辺りは白くなってきた
始発の時間はもうすぐだ
相変わらず雨は激しく降っている